パンチェッタ

パンチェッタとは豚バラ肉を塩漬けにして乾燥熟成させたもののこと。
(これを薫製にしたのがベーコン。)
薫製していないので生ベーコンなどと呼ばれたりもします。
焼いて食べても美味しいですが、パスタソースに使えばかつおだしのような香ばしい出汁の風味を出すことができます。

また、加工肉は添加物の多さが気になりますが、自家製ならそんなことも気にせず安心して楽しむことができます。
なにより、買うと高いので自分で作れるなら気軽に食べられるようになります。お好きな方は自家製パンチェッタにチャレンジしてみませんか。

材料

・豚バラブロック肉
・塩(お好きなこだわりのお塩で!)
・ハーブ類(ローズマリーや胡椒などお好みで。なくてもOK.)

作り方

1)豚バラブロック肉の表面をフォークで刺します。

肉の表面全体に穴をプツプツとあけて、塩が染み込みやすくします。
ちなみにフォークで穴あけをやらずに何度か作ってみたのですが、それでも問題なく熟成しました。どうやら肉がそんなに大きくなければ(1kg以下の場合)問題なく染みるようです。

2)肉の表面に満遍なく塩をまぶします。


塩を隙間なく、肉の表面に馴染ませるようによく刷り込みます。
今回はゲラントの塩を使いましたが、肉なので岩塩などもマッチすると思います。
また、この時にお好みでローズマリーや胡椒など乾燥ハーブ類を擦り込んでも良いでしょう。プレーンなものをお好みであればなくても大丈夫です。

塩分10%をまぶした場合、これくらい真っ白になる。

3)3日間冷蔵庫に置きます。

クッキングペーパーで包み、さらにビニール袋に入れ、3日間冷蔵庫に置きます。
クッキングペーパーは密着させ、滲み出てくる水分を吸い取らせます。

4)クッキングペーパーを外し、再び冷蔵庫で熟成。

3日経ったら取り出して、クッキングペーパーを取り除きます。
さらに数週間、肉を裸のまま冷蔵庫で乾燥させます。
写真のような網付バットに乗せて冷蔵庫に入れるとといい塩梅で乾燥します。
こちらは百均とかで売ってる揚げ物用の網が付いた小さなバットで、これに乗せて冷蔵庫に入れておくと肉の下になった面の風通しが良くなるので、バクテリアが繁殖しにくくなり、カビにくくなります。失敗する場合の大きな原因はほぼカビなので、そこがクリアされていれば成功したようなものですね。

5)数日ごとに上下をひっくり返します。

冷蔵庫の中にあっても、肉が下側になっている部分がカビやすいので、数日ごとに上下ひっくり返すことで痛みを防ぎます。
うまくいっている時は無臭です。腐敗臭のような匂いは全くしません。

6)3週間経つと生肉感が消え、硬くしまってきます。

時間が経つとともに水分が抜けて硬くなっていきます。3週間経たないうちは味が生の「ザ・豚バラ肉」という感じですがお好みで食べてしまっても良いと思います。(加熱してね)

今回は、まるまる4週間置きました。カチカチで押しても形が変えられません(笑)実際には折りたたまず、平に広げた状態の方が傷みにくくて良いです。(折り畳んだ内側も傷みやすい。)
色も明らかに生肉という感じではなくなり、ガーネットのような深い赤色に変わりました。

7)保存する。

小分けに切って、冷凍保存します。

ラップで包んで、ビニールなどに密閉して冷凍庫へ。

これはパスタ用

メモ

塩の量

塩の量は肉の重さの3〜10%と書いているレシピが多いですが。あまり気にせず好きな量を塗り込めば良いと思います。パンチェッタはパスタやスープなどの出汁の役割もありますのでしょっぱいものです。もしも塩辛すぎたら煮込めば良いのです。かえって塗りムラがあったり塩の量が少ないと熟成中に傷んできますので、しっかり塗りましょう。

シーズン

暑い時期は冷蔵庫の中でも乾燥しにくく傷んだりするので、失敗なくやるなら夏以外がベストかもしれません。

冷蔵庫

できるだけ冷蔵庫の温度が冷たくて、開けたり閉めたりしても温度変化の少ない奥の方がいいと思います。そういう意味で、大きい冷蔵庫だといいですね。

塩抜き

クッキングペーパーを外した後、洗って塩抜きするレシピの方が多いです。けれど、単身者用など小さい冷蔵庫だと開け閉めで温度変化ができてしまいやすいので、その場合は洗わない方が良い気がします。。。

傷み

作ったものに一部傷んだ部分があれば、表面を削って取り除きましょう。
あと、生で食べる場合、表面ではなく内側をスライスしたものが良いと思います。肉の表面で外側の部分は加熱して食べるのが良いでしょう。
ちなみにフォークでの穴あけは肉表面についたバクテリアを肉の内部に入れてしまう可能性もあるのでやらない方がいい、と書いているレシピもありました。
(いずれも自己責任でお願いしますね)

清潔に

肉に触る時は手を清潔に保ちましょう。洗うか手袋をするか、アルコールで除菌などしてもいいでしょう。
使う道具も洗ってから使うなど清潔にすれば、熟成期間での痛み防止になります。これもお味噌を作る時と同じですね。

パンチェッタを使ったレシピもどうぞ♪

オニオンとパンチェッタのスープ

2020.05.13

さいごに

追記2020年5月11日

今回はレシピを書くつもりではなかったので、圧倒的に写真の数が足りていないのですが。ご興味のある方が多かったので、梅雨に入ってしまう前に、まだ間に合う今のうちに急いでレシピをまとめました。
また次に作ったときに写真を追加したり、加筆して、レシピを更新していこうかと思います。

追記2020年7月28日

何度か作ってみると研究が進んできて、よりスムーズにできるようになってきました。現在は肉に対して10%の塩(肉500gなら塩は50g)を使っています。10%の塩は結構多いので、塩抜きしています。
塩抜きは(4)のキッチンペーパーを外す段階でやります。キッチンペーパーを外したら流水に10分つけて塩を洗い流し、さらにキッチンペーパーで押さえて表面の水分をよく吸い取ってから再び冷蔵庫で熟成させます。